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足の動脈硬化~閉塞性動脈硬化症について

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足の動脈硬化~閉塞性動脈硬化症について

正常で元気な動脈の血管はしなやかで弾力があります。しかし、生活習慣の乱れ・加齢・喫煙・ストレス等様々な要因により血管が硬くなって弾力性が失われた状態になります。これを動脈硬化と言います。
なかでも血液中に悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が増加し、一方で善玉コレステロール(HDLコレステロール)が減少する脂質代謝異常が起こると、コレステロールが血管の壁に沈着、侵入しプラーク(血管の内側に突出するコブ、粥腫)が形成されます。結果として血管が狭くなり、血流低下をきたします。
さらに、プラークはもろいので、時に破れることがあり、それを修復するために血小板が集結し凝血塊、つまり血栓が作られ血の流れが悪くなったり完全に止まってしまう状態(閉塞)となります。

心臓から送り出された血液は、太い血管⇒動脈を通って全身に流れ、ヒトが生きていく上で必要な酸素や栄養素を運搬していますが、そのような状態となってしまうと、詰まった先の臓器が酸素や栄養不足を起こし(虚血といいます)、様々な症状が引き起こされます。

部位により症状は異なり、脳であれば脳梗塞、心臓であれば心筋梗塞となります。当然、手足にもおこりますが、腕や手(上肢)の虚血症状で受診することは稀で、多くは足(下肢)の動脈狭窄・閉塞、すなわち閉塞性動脈硬化症です。今回は下肢の閉塞性動脈硬化症について話しを進めます。

症状

閉塞性動脈硬化症の症状は進行度合いによって4期に分けられます。

1期:無症状、ないし足がしびれたり冷たく感じることがあります。
2期:一定の距離を歩くと、太ももやふくらはぎが重く感じたり、痛くなったりして休み休みしか歩けなくなります(間欠性跛行/“かんけつせいはこう”といいます)。運動時に足に充分な血液が供給されないために起こる症状で、治療が必要な状態ですが、「年齢のせい、脚力が低下したせい」と受診しない方も多いようです。
3期:安静時にも痛みが出るようになります。
4期:足に傷ができても治らない、さらには足の一部や指などの細胞が死んで皮膚が紫色や黒色にまで変色し、「潰瘍」や「壊死」がみられ、重度の場合は切断が必要になることもあります。

尚、動脈硬化は全身の血管に生じており、上記のような足の病的な動脈硬化が見つかった場合は、心臓や頭の中の血管でも同様の変化が起こっている可能性があります。心筋梗塞や脳梗塞といった致命的ともなり得る疾患や腎障害を併発するリスクがあり、重要な臓器の精査・対策が必要となります。

診断と治療、および予防

診断にあたっては通常の問診や血管拍動を触診することに加えて、主にABI検査を実施します。
ABIとはAnkle Brachial Index/足関節上腕血圧比の略で、両側の上腕(二の腕)と足首の血圧を測定し、その比を検討します。通常は足関節の血圧が上腕より高くでますが、閉塞性動脈硬化症の場合、足の血流が低下しているので反対に足関節より上腕の方が高くなります。さらに診断、狭窄部位の確定には、血管のエコー検査や造影剤を使用したCT検査を実施します。

治療は、内服治療、カテーテル治療、外科的治療があります。

・内服治療:血管を拡張させ血流を改善する薬や、血の塊(血栓)ができにくくする薬、いわゆる“血液をサラサラにする薬”を使います。尚このお薬は、特に取り扱いに注意が必要なお薬です。歯医者さんや他の医療機関・診療科受診、予防接種の際など、処置を受ける時は血が止まりにくい可能性があるので、本薬を服用していることを必ず伝えましょう。

・カテーテル治療:太股の付け根にある大腿動脈から管(カテーテル)を入れて狭くなったり詰まったりしている部位を細長い風船(バルーンカテーテル)で膨らませたり、膨らませた後にステントという金属の網状の筒を血管内に留置し再度狭くならない処置を行います。
当院では主として、このカテーテル治療を行っています。当治療はメスを使って大きく皮膚を切開して血管処置をするわけではなく、カテーテルを挿入する数mmの傷ができるだけで、一般的に体への負担が少なく、術後経過が良ければ数日で退院できます。
【カテーテル治療の様子】

【完全閉塞⇒ステント植込み⇒血流改善】
  

・外科的治療:患者さんの血管や人工血管を使って、詰まった血管の前後を繋ぎ迂回路を作るバイパス手術と、閉塞を起こした血管内の病変部位を外科的に取り除く血栓内膜摘除術があります。当治療が必要な場合は適切な高度医療機関にご紹介しております。

合わせて何より重要なのが生活習慣の改善です。そして、それが再発や新たな閉塞性病変の予防にも繋がります。
動脈硬化を促進させるものとして、喫煙、高血圧、高脂血症、糖尿病などがあげられ、これらは皆さんの生活習慣と密接に関わっています。 禁煙、塩分やカロリー・コレステロールを抑えた適度な量の食事、適度な運動、お酒も適度に…言わずもがななことばかりですが、特に健康診断等で生活習慣病関連の検査に異常が指摘されている方や治療中の方は、医師の指示に従い、自己管理に努めましょう。そして健康的な血管をキープし、健康寿命を延ばしていきましょう。

著:事務部T

24時間駐車場あり
当病院外来患者さんは無料でご利用いただけます
JR「三原駅南口」から徒歩5分。マリンロードに入ってから最初の信号(城町交差点)を左に曲ってしばらくお進みください。三原市福祉会館、ないし少し大きな公園が目印です。

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